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本を読んで、里親ならではの感想が生じたら書きとめるブログです。

『雨、あめ』ピーター・スピアー

 

文字がなくて、絵だけの絵本です。

子どもの、ある雨の日の日常が、言葉はなくても饒舌に描かれています。

 

里親になって子どもが委託された頃、きちんとしなくては…というプレッシャーを知らず知らず感じていたように思います。

 

自分自身が子ども時代に特段きちんとした生活をしていたわけではないけれど、子どもが委託されると、生活サイクルや体内時計を乱さず正常にしておいてあげなくてはいけない…などと変に生真面目に思ってしまったりして。

 

でも結局のところ、そんな生真面目さにしがみつこうとしても、委託された子どもの情緒不安定な負のエネルギーに、力づくで引き剥がされてしまいました。

 

子どもの非常に混乱した状態に、私の柄に合わない生真面目な思惑がぶつかり、今思えば全く不必要だった、と言えるような摩擦を生んでいたようにも思います。そこまでして私はいったい、誰のために、何のために、子どもの生活サイクルを整えなくてはいけないというプレッシャーを背負っていたのでしょうか。疑問しか残りません。

 

この絵本には、私が抱え込んでいたような生真面目さはどこにもありません。家庭生活なのですから、それで良かったはずなのです。絵本に出てくる家族たちはみんな、のびのびと自然に暮らしていて、落ち着いていて楽しげで、満たされた顔をしています。

 

たとえどんなに良いものであったとしても、尋常ではなく大変な時の特効薬になり得るものはないかもしれませんが、誰のためだかわからないプレッシャーを勝手に背負いすぎないようバランスを取るのに、もしかしたらどこかへいくらかは引き戻してくれる絵本だったのかもしれないと思います。

 

今この絵本と出会って、子どもも私もとてもお気に入りの絵本になっています。

 

雨、あめ (児童図書館・絵本の部屋)

雨、あめ (児童図書館・絵本の部屋)